特殊詐欺ドットネット管理人の伊藤です。
私が勤めている会社に詐欺の電話がかかってきたので、危険でないと判断できる範囲で通話してみました。
詐欺電話はこのようにしてかかってくるという一例として、参考にしていただければ幸いです。
(着信)
伊藤「お電話ありがとうございます。株式会社○○(私の勤務先)です」
(自動音声)「こちらはNTTドコモお客様サポートセンターです。こちらの電話料金が未納になっているため、電話回線の利用を停止させていただきます。詳細を聞きたい方は、ダイヤルの9を押してください」
この時点で詐欺と判断。調査のため続行。※本来はこの時点で無言で切るのが正しい対処法です
伊藤(9を押す)
👤(男性の声)「お電話代わりました。NTTファイナンス株式会社お客様サポートセンター上田が承ります。いかがいたしましたか?」
伊藤「電話料金の未納との連絡がありまして、詳細を聞きたくて9を押しました」
👤「なるほど、電話料金の未納ということですね。ではお客様情報を確認させていただきます。
おかけの番号は03-xxxx-xxxx、株式会社○○様でお間違いないですか?」
伊藤「はい」
👤「代表者様のお名前は○○様でお間違いないですか?」
伊藤「はい」
電話番号と社名、代表者名は正確なものでした。
どれも会社のWebページに載っている項目なので、誰でも入手できる公開情報を言っただけに過ぎません。
『NTTっぽさ』の演出です。
👤「現在お話しされている、あなたのご氏名をうかがってもよろしいですか?」
伊藤「え、私の名前が必要なんですか? なぜ?」
👤「えっと、会社様情報の問合せの際、ご担当者様の氏名を記録するという決まりになっておりまして……」
伊藤「なるほど、タカハシと申します」
👤「フルネームでお願いします。漢字も教えてください」
伊藤「タカハシ・ユウタです。はしごだかの髙橋に、優しいに太いです」
理由を聞くと若干しどろもどろになりながら答えてくれました。
問合せに私の名前を記録しても意味ないと思うんですが……
詐欺グループに個人情報を渡したくないのでその場で考えた偽名を名乗りました。
(読者に髙橋優太さんがいたらすみません)
詐欺のついでに新たな個人情報を入手する、相手の名前を繰り返し呼ぶことで影響下に置きやすくするなどの狙いがあります。
👤「ありがとうございます。では髙橋様、会社情報の照会を行いますので少々お待ちいただけますでしょうか」
伊藤「はい」
(10秒くらいカチャカチャとキーボードを触る音)
👤「確認がとれました。半年分の料金、194,000円が未納になっています。つきましては2時間以内に指定口座への振込をお願いいたします。お支払い頂けない場合、法的手続きに入ります。また電話のご利用が停止されます」
伊藤「法的措置!?」
ニセ警察詐欺につながるパターンと思っていましたが、もっとシンプルでした。
冷静に考えて「あなたは事件の容疑者です」という電話を会社電話にかけてくるのは不自然ですしね。
金額が安いのは気軽に払える金額にして、ひっかかったら追加の詐欺を行っていく狙いがあります。
驚く演技は今考えるとちょっとクサかったかもしれないです。
伊藤「わかりました。あ、でも私、電話料金とかの担当じゃないんですけど」
👤「はあ。ではご担当の方に代わっていただけますか」
伊藤「今席を外しておりまして……詳細をいただければ、私の方からお伝えします」
👤「それはできません。直接ご本人にご連絡いただきたいです。何時頃戻られますか?」
伊藤「20時くらいです」
私が振り込みなどを行う立場でないと分かった瞬間、露骨にイラついた声色になります。
振り込み担当と直接話したがっているのは、すぐに現金を引き出せるよう、ATMまで誘導してリアルタイムで振り込ませたいからでしょう。
👤「はあ。ではその方のお名前をお教えいただけますか」
伊藤「それは個人情報なのでできません」
👤「……では他の人で、そういった料金の担当されている方はいますか」
伊藤「その人だけです。よろしければご連絡先をいただければ、その者からご連絡するよう伝えますが」
👤「……(通話終了)」
詐欺グループの電話番号を知っておくのもいいかなと思って聞きましたが、教えてくれませんでした。
最後までちゃんと演技しなさい。
実際に電話を受けてみてわかった点を書きます。
- 20~40代くらいの男性の声
- 音質はやや悪い(海外電話のためか)
- 電話番号を見たら+855で始まっており、調べたらカンボジアからの電話でした。
NTTドコモがカンボジアから電話をかけるはずがないので、バレると思って連絡先を伝えなかったのでしょう。 - 話し方はやや乱暴。コールセンター業務の人ってもっと丁寧にしゃべると思う。
いかがでしたか?
詐欺というのは思ったより身近にあるものです。
このような電話がかかってきたら、『すぐに切る』『個人情報を渡さない』ということを心がけましょう。